感想『仮面ライダークウガ』EPISODE 7「傷心」

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(↑第6話の感想はこちら)

 


今回の第7話と第8話では未確認生命体に襲われた被害者遺族にスポットが当てられる。その被害者遺族というのは、第1話で命を奪われてしまった夏目教授の妻とその一人娘の実加(演:竹島由夏)。第2話で描かれた夏目教授の葬式の最中に涙をこらえきれず、家を飛び出して大粒の涙を流していていた少女だ。

 

被害者遺族のその後を描く意味を考えた時に、それは「命の重さ」を再認識させるためなのかなと感じている。これまでのエピソードでもグロンギによって多くの命が奪われてきた。残虐な手口で弄ばれるかのように次々と死者の数を重ねていくので、視聴者にとってどこか非現実で遠くにあるような感覚を抱いてしまう。当然である。そもそも大勢の人が死ぬことは、非現実でなければならない。実感が湧かないのが普通である。

 

しかしここで「個」の視点が持ち込まれることで、人の死に対する実感を与え、非現実だったものを現実的な事実へ変えていく。未確認生命体に襲われた民間人や殉職した警察官、画面の中で淡々と死んでいくその一人一人に、彼らを想いその死を悼む家族がいる。そう考えると、画面の中にある世界だとしても、人間が死んでいることへの重みの受け取り方が全然違ってくる。

 

夏目教授や調査団の人達は第0号に命を奪われてしまったが、この事件は未だ何も解決はしていない。だからこそ捜査をいち早く進めてもらうために実加は警視庁へ訪れたわけだけど、それがオープニングのシーンへと繋がる。一条(演:葛山信吾は唯一の証拠品であるビデオを繰り返し見ては、長野県警から遺跡に関する資料を手配するなど地道に捜査を続けていたのだが、成果はまだ出ていない。今起こっている未確認生命体による事件にも対処しなければならず、かといって第0号の動向も探っていきたい。しかし、3週間で確認された未確認生命体は7体。そのうち警察が仕留めたのはたったの1体。さらに最低でも200体の未確認生命体が復活したことが判明し思うように捜査を進めることが出来ていないことが伺えて、現状の対処で精一杯になっていることが痛いほどよく分かる。

 

 

しかし、それは実加にとって「大人の都合」に過ぎない。父親が亡くなったのに、どうして第0号の捜査を進めてくれないのか。人が一人死ぬことはどうでもいいことなのか。実加の表情から一条のちょっとした仕草や視線の置き方に、疑念を抱いている心の機敏がよく伝わってくる。そして、やっとのことで案内された桜子(演:村田和美のいる研究室で、ジャン(演:セルシュ・ヴァシロフ)の研究者として悪気のない言葉がきっかけで内に秘めていた怒りが爆発してしまう。

 

「どうして…どうしてそんな何もなかったみたいな言い方するの。警察だって全然0号のこと調べてくれないし。お父さんは死んだのに!」

 

実加の心からの叫びに胸が痛くなる。同じ場所に居合わせていた雄介(演:オダギリジョーですら、何の声もかけることが出来なかった。

 
 
今回登場するグロンギは、未確認生命体第14号=メ・バチス・バ。蜂の特性を持った怪人で、上空から大きな針を腕から発射し、頭から足先に向かって一直線に貫いていく。直接的な死因はアナフィラキシーショックによるものだが、あれだけデカい針が刺さったら毒以前に即死だろうなとは思いつつ……。今までのグロンギとは違いバチスは名前の頭文字が「ズ」ではなく「メ」から始まっている。これにも意味があって、劇中でも羊皮紙のようなものに紋章がそれぞれ郡となって描かれていたように、グロンギもその中で属するグループ及び階級が分けられている。サイの姿をした怪人とピラニアのような怪人が小競り合いを始めようとしていたのも内部争いがあるからだ。

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上空から15分間隔で螺旋状に動き規則的に人間を殺していく。これがバチスが人間の命を奪う際のルールだ。この殺害シーンもなかなかにショッキングで、頭上から針を一撃くらった人間は目を見開き、その場で倒れこむ。買い物帰りの主婦や部活動中の学生、電話をしているサラリーマンも針を撃たれたら一瞬にして死んでいく。場面が切り替わっていき、次々と人が倒れていくシーンはある意味で小気味よく、そのテンポ感がより恐怖を引き立てるのに一役買っている。

 

 

警察側の新たなキャラクターとして強力な助っ人、榎田ひかり(演:水島かおり)が初登場した。後ろで一本に束ねた長い髪、額縁のない丸眼鏡に白衣、ハキハキとした物言い、同じ放送局のドラマ「科捜研の女」に出てきそう。演じる水島かおりさんは「ウルトラマンダイナ」でもサエキ・レイカ役で登場している。バチスの毒針を分析したことなど、科学的な知見を持ってこれからも警察をサポートしていく。

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一方、バチスが次々に殺戮を開始し街では民間人の命が次々に奪われていく中、一条と雄介はその規則を瞬時に解明し、次に殺戮が行われるであろう現場へと急行する。走りながらの「変身!」という掛け声と共に、クウガへと変わるシーンは今回が初めてなんだけど、こういうのはヒーローらしくてやっぱりアツい。クウガへ変身した雄介はバチスと肉弾戦を展開する。現代のアクションシーンに比べると、この頃の格闘シーンはCG演出や火花による効果がほとんど無いので、打撃音のSEと生身のアクション、壊されていくセットだけで演出されている。画的な派手さにはどうしても欠けてしまう部分があるんだけど、ふっ飛ばされた反動で破壊される配管のように実物を壊すことで得られるリアリティもあるというか、その緊迫感は充分に感じられる。
 

 

マイティフォームの打撃で怯むあたり、バチスは格闘戦を得意としていないのだろう。自身の不利を察したバチスは、上空へ逃走。階段を駆け上がるクウガは、スピードに優れたドラゴンフォームへ変身する。青のクウガで上空にいる敵に対処できるか?という一条の問いに、ここで答えが出されてしまう。バチスの姿は全く捉えることが出来ず、どこにいるかさえ分からない。僅かな羽音が響いても、不意打ちを食らってしまう。姿を隠しながら攻撃を仕掛けるバチス、それを懸命に探すクウガ。そして一瞬の隙を突かれて、屋上から落とされてしまう。鉄柵にしがみつくも、見る見るうちに体色が変化し、緑色へと変化。これがクウガ第4の姿、ペガサスフォームしかし、突然クウガの脳内に様々な情報が押し寄せてしまい、屋上から墜落してしまう。

 

またもや新フォームになったところで幕切れとなってしまい、その活躍は次回に持ち越すことになった。そして一人飛び出してしまった実加は何を思うのか。

 

それでは次の更新で。

 

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(↑第8話の感想はこちら)