
(↑第14話の感想はこちら)
第15話・第16話が放送された当時は、ちょうど5月の第二週目に差し掛かる。世間的にいうと、それは母の日である。今回の二編でクローズアップされるのは、一条(演:葛山慎吾)と彼の母親である一条民子(演:東山明美)。一条という人物の深堀りが行われるのは、実は今回のエピソードが初めて。彼の生い立ちやその境遇を通して、なぜ彼は警察官という道を志したのか。正義感と実直さを持ち合わせた彼のもつバックグラウンドが語られていく。
前回の14話で東京へ移送中に突然飛び去っていった謎の遺跡。その遺跡はまるでクワガタのような姿をしていた。名前は「ゴウラム」超古代の戦いではクウガに力を与え、共にグロンギと戦っていたが古代クウガが眠りに入ったのと同時に遺跡の中で眠りについていた。しかし石碑を調査団のメンバーが掘り起こしたことにより、現代でクウガとなった雄介(演:オダギリジョー)に共鳴して再び目覚めた。
#クウガ20周年配信 ゴウラムが喋るリント語、声はオダジョーが担当しています。#クウガ#超配信 #kuuga#nitiasa#クウガ20周年
— 高寺成紀☺5月28日(土)13時「怪獣ラジオ(昼)」@調布FM (@taka_69s) 2020年10月31日
視聴者という神の視点からすれば、ゴウラムは間違いなく味方だしその可能性も示唆されるのだが、順序としてまずは「未確認飛行物体」としてカテゴライズされる。未確認生命体の対応に昼夜問わず追われている警察の前に、今度は「未確認飛行物体」が現れたという連絡が入る。テロップで表示されていたように時刻はすでに午後8時を回っており、そこから対策会議と情報共有、徹夜で厳戒態勢を敷くという……。ああ、なんと……。
「未確認飛行物体」が敵か味方かを議論する会議室内の緊迫感、灰皿には煙草が山積みになってクタクタになる朝方の署員たち。放送当時はなんとも思わなかった描写だったけど、自分が今まさに社会人だからこそ、前線で現場に立つ者たちの努力や苦労に思いを馳せざるを得ない。
#クウガ20周年配信 4号同様、クウガの味方であっても人類にとっては「未知で不可解なもの」として捉えられるゴウラム。平成ガメラと似た描写とも言えますね。#クウガ#超配信 #kuuga#nitiasa#クウガ20周年
— 高寺成紀☺5月28日(土)13時「怪獣ラジオ(昼)」@調布FM (@taka_69s) 2020年10月31日
初期の頃から一条への憧れを持っていた笹山望見(演:田中恵理)、彼女は合同捜査本部において未確認が現れたときの無線連絡や、会議資料の作成を行う事務方の署員だ。笹山さんのキャラって、作品内だと実はかなり迷走していたように感じる。序盤では一条さんに恋い焦がれるぶりっ子的なキャラ付けだったため、正直これが物語の面白さに影響を与えているように感じられなかったのが本音。そんな笹山さんのキャラが固まったのも、今回のエピソードからだったように思う。
#クウガ20周年配信 キャピってた笹山婦警のキャラを修正しつつありますね😆#クウガ#超配信 #kuuga#nitiasa#クウガ20周年
— 高寺成紀☺5月28日(土)13時「怪獣ラジオ(昼)」@調布FM (@taka_69s) 2020年10月31日
(↑笹山さんのキャラに関しては、やはり修正があったようです。)
署員が夜通しで働く中、一条は笹山さんから誕生日プレゼントを渡される。しかし、その笹山さんからのプレゼントを一条は断ってしまう。誰からも受け取らないようにしているとは言うものの、あまりにもストレートに拒否するものだから視聴者的にちょっとヒヤッとするシーン展開である。
その光景を見ていた科警研の榎田さん(演:水島かおり)から、一条がとった行動の真意について語られる。なんと一条の誕生日は、彼の父親の命日でもあったのだ。警察官だった彼の父親は、一条が10歳を迎えた日に亡くなってしまう。川で溺れた人を助けるために命がけで行動した父の姿を見て、一条は警察官の道を志したという。「中途半端はするな」と雄介を叱責したあの言葉は、父親からの言葉だったようで、一条の中で父親の存在がどれほど偉大だったのかを考えると、雄介にその言葉をぶつけた重みが更に増すだろう(第2話)。
そんな大事な日に実家の名古屋へ帰る予定だったものの、連日の未確認生命体への対応でやむなく断念。一条が持つ責任感の強さと父の志を継ぐ姿を表す行動として、とても理解できる描写だと思う。ただ、今の時代感に則してみると、母親が倒れたという知らせを受けても職務を続けるのはどうなんだろうなと感じてしまう。一条が未確認生命体対策の要にあるのは事実だし、現場を離れるという選択肢がそもそも彼の性格からするとないのも頷ける。しかし、家族の命と事件解決を天秤にかけた時に、一条の行動を良しとするのは、現代の価値観に即してみると疑問符が浮かぶのではないだろうか。周囲の人々も命日のことは知っていて気にかけているし、一条自身も葛藤の表情は浮かべるのだが、このアンサーは次のエピソードへの持ち越しとする。
『クウガ』では基本的にコミカルな怪人はほぼ登場しない。とりわけ視聴者へトラウマを植え付けたグロンギは少なくない。その中で今回のグロンギは自分の中で未だに印象深く残っている。ヤドカリの特性を持った未確認生命体第24号=メ・ギャリド・ギ(演:石崎直)。
腕章の安全ピンを地肌にそのまま付ける人間体の姿も強烈だったが、ギャリドが他のグロンギと明確に違うのは、人間の文明で発達したものをゲゲルに使用していること。それがトラックである。トラックをバック走行させ、タイヤの下で何度も人間を轢いたり、路地に追い込んでそのまま圧死させる。逃げ惑う女性たちを圧死させるシーンでは、直前まで後ろの様子をモニターで確認している。つまり息絶える瞬間をしっかり視認していたわけであまりにも惨すぎる。
「バックします。ご注意ください。」
人々の泣き叫ぶ声に重なって無機質に響き渡るあの瞬間は本当に怖かった。これを見て以降、トラックが近くのコンビニや工場でバック駐車を行う時に、どうしてもギャリドがよぎってしまう。身近にあるものが時に凶器へ変貌することを実感した当時の自分は、軽くショックを受けていたことを今でも覚えている。しかもこの手口は人間にも再現可能なわけで、そこを考えるとますますゾッとしてしまう。
#クウガ20周年配信 トラックのタイヤ痕、血の色は生々しくならないようにと、渡辺監督がアレンジしたそうです。#クウガ#超配信 #kuuga#nitiasa#クウガ20周年
— 高寺成紀☺5月28日(土)13時「怪獣ラジオ(昼)」@調布FM (@taka_69s) 2020年10月31日
幕張方面で24号が出現したという緊急連絡が、雄介と一条の元に入電。雄介はトライチェイサーの色を変え、クウガへと変身。現場へ急行する。ここからのシーンがもうめちゃくちゃ大好きで(クウガ好きな人は皆好き)、『クウガ』という作品が現代社会を舞台にしたからこそ描けた一連の流れがある。
現場へ向かうトライチェイサーが渋滞の中を駆け抜けていく時に、車中の人々や信号待ちをしている若者たちが口々に「あ、4号だ!」と認知していく。テレビや新聞の報道でしか知り得ない4号が目の前に現れた時の反応がとてもリアルなのと、今まさに人々を守るために現場へ向かうクウガの孤高な姿が抜群にカッコいい。車と車の間を走り抜けるアクターさんのテクニックの凄さもあらためて実感する。
#クウガ20周年配信 公道(環八)を走る4号=みんなのヒーロー、仮面ライダーというシーン、やってみたかったことでした!#クウガ#超配信 #kuuga#nitiasa#クウガ20周年
— 高寺成紀☺5月28日(土)13時「怪獣ラジオ(昼)」@調布FM (@taka_69s) 2020年10月31日
すると姿を消していた「未確認飛行物体」がクウガの上空から飛来。体を上下に分離させて、トライチェイサーに合体する。クウガにもたらされた新しいこの力は一体……。
それでは、次の更新で。
(↑第16話の感想はこちら)