本当の戦いはここからだぜ! 〜第二幕〜

好きなものをどんどん語ります

小説『方舟』を読んだんだけど・・・・・・あのさ~~~~~~これさ~~~~ほんっとにさ~~~~~~~~~~はああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

きっかけは単純だった。

 

いつも拝読しているブログで、いつもと違う記事が更新されたからだ。

www.jigowatt121.com

 


敢えてこう書くが、普通なら、他の記事のように「この作品がなぜ面白いのか」「ここのどういった部分に惹かれた」という論理が明確に語られているはずなのに、何も詳しく書かれていない。筆者の傾向において「語らない」記事は、ありえないはずなのである。何故そこまで言い切れるのかと言えば、こういう記事を以前に更新したことがあるからだ。

 

kazurex1215.hatenablog.jp

(↑これを書いた本人は至って真面目である)

 

 

前身ブログからの読者として、この前代未聞の状況を黙ってみているわけにはいかず・・・。

 

 

 

Kindleで購入した。

 

 

そして・・・

読み始めたのが19時30分頃。

 

 

読了したのが0時過ぎ。

 

 

その間ほぼ休憩は取らずに作品を一日で読み切るという経験そのものが初めてだった。人間は想像だにしない衝撃を脳天から直に浴びると、言葉が出てこなくなってしまうらしい。本当だった。

 

 

今の気持ちを自分の言葉で書こうとした時に、真っ先に浮かんできたのがこれ。

 

 

このツイートを見た時に、あなたはどんな想像をするだろうか。「泣いてしまいそう」になる感情は様々で、悲しい思いをした時や心が震えて感動した瞬間、または物理的に涙が出てきそうな状況。色々推測されるだろう。ただハッキリと言えるのは、アラサーを迎えているいい年の成人男性が、小説を読み終えた夜中の0時に「泣きそう」になっているのである。どう転んでもヤバイ状況でしかない。誇張表現ではなく、本気で目に涙が滲んでいた。

 


読み終えた方に向けたネタバレ全開の解説ページが存在していた。もちろんIDとパスワードを入れて、閲覧した。読み終えてから、一時間ほど寝ることが出来なかった。「泣きそう」になった自分の心情に、理由を与えてくれたからだ。

 

book-sp.kodansha.co.jp

 

 

 

「こいつ抽象的なことしか書いてねえな〜〜〜〜〜」と感じられただろう。おっしゃる通り。さっきから鑑賞体験を述べているだけであって、その体験を引き出した根源たる作品がどのようなものかを、全く記していないからだ。ブロガーの端くれとして、感想を伝えるために、その作品の最低限の情報を用意しないのはナンセンスだ。読み手のことを考えていない。

 


しかし。

 

 

しかしである。

 

 

この作品の詳細を、書くことは出来ない。

いや、書かないのである。

 

 

 

もしもネタバレにならない程度の概要を書き記したとしても、「あ、こういう系の話なのか~~~~」と、察しの良い方にはそう思わせてしまう可能性がある。これは何の情報も仕入れずに読んだ自分の原体験を、下回ってしまうのではないか。その機会を偶発的に奪ってしまっていいのだろうか。したくない。そんなことは、決してしたくない。

 

 


だからこそ、言えることは、ただひとつ。

 

 


読んでくれ。

 


とにかく、読んでくれ。

 

 

 

 

 

とは言ったものの、ネタバレにおける境界線の話において、事前に作品の詳細を把握しておき精神的な予防線を張っておきたい方の気持ちも、非常に分かる。大いに分かる。「とにかく読んで!!」というパワープレイが通用するタイプのブログではないことも、自覚している。そこでもう少し具体的に踏み込んでみたい。

 


公式サイトに記されたあらすじを抜粋してみる。

 

9人のうち、死んでもいいのは、
ーー死ぬべきなのは誰か?

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。

そんな矢先に殺人が起こった。

だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。

イムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

 

bookclub.kodansha.co.jp

 


ジャンルとしてはミステリー小説である。地下建築の水没という危機的状況で発生した密室殺人。この手の王道であるクローズドサークル(何らかの事情で外界との往来が断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を扱った作品)に、少し捻ったアイデアを加えることで、新たな化学反応を起こすという方式は、昨今のミステリー小説ではトレンドになっているらしい。

 

死へのタイムリミットが刻々と迫る危機感、そして逃げ場のない地下の閉鎖的な環境。事件解決への糸口があまりにも少ない状況で、主人公とその従兄弟がいかにして「答え」に辿り着くのか。鬱屈した息苦しさと絶望に満ちた空気感がひしひしと伝わってくる中で、散りばめられた謎がどのように繋がっていくのか。ヒントが少ないこの状況を逆手に利用して推理していく主人公たちを、ぜひ追体験してほしいのである。

 


ミステリー小説と聞けば、難解な設定やトリックを文章で理解できるのかを不安視する方もいると思う。しかし、これは自分の所感だが、非常に端的な説明で読みやすくなっていると感じる。これまで片手で数えるほどしか推理モノを読まなかった自分が、たった4時間で読み終えられたのはおそらくこれのおかげ。

 

また、登場人物の数が少し多いが、いい意味で記号的な造形になっており区別しやすい。自分はiPhoneのメモに軽く特徴を書きながら、キャラを整理して読み進めていった。そして物語の舞台となる地下施設に関しては、序盤で登場人物がその全容を把握するシーンで挿し絵が挟まれる。これを元にイメージを膨らませていけば、情景を思い浮かべる一助になってくれるだろう。

 

 

 

※※※※※※※※

 


自分から言えることは、以上だ。

むしろ少し喋りすぎたかもしれない。

 

もう一度言う。

とにかく、読んでくれ。

 

読み終わった後に、この記事のタイトルを思い出して欲しい。意味が分かるはずだから。


実写化してくれないかな〜〜〜〜〜〜待ってるよ〜〜〜〜〜〜〜