感想『仮面ライダークウガ』EPISODE 20「笑顔」

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(↑第19話の感想はこちら)

 

 

第20話はメ・ギノガ・デを倒した後の後日談がメインのドラマが描かれる。死の淵から蘇った五代雄介(演:オダギリジョー)は、その時ベルトに何が起きたのかを調べるために、一条(演:葛山信吾)と共に仲間たちの元へ訪れるのだった。

 

第18話・第19話とシリアスな展開が続いたこともあり、今回のエピソードは全体的にどこか牧歌的な雰囲気をまとっている。雄介や一条の何気ない会話であったり、雄介が生きていることを皆が喜んでいる空気感にほっこりさせられる。終始、一話かけて雄介のお礼参りに徹させることで、彼の身体が回復して元気になったことを視聴者に印象付ける意味合いもあったのかなと。特に当時の子ども達には青ざめて死にかけた雄介の姿はかなりショッキングだったと思うし、その印象を丁寧に拭うためのアフターフォローを兼ねている側面もあったのではないだろうか。保育園の子ども達にやっとストンプを披露できるシーンも約束を果たせた安心感を感じるし、「ポレポレ」のおやっさん(演:きたろう)がお笑い担当で華を添えてくれることのありがたさを改めて実感する。

 

 

クウガが他の色に姿を変える時は、「超変身!」という掛け声と共にフォームチェンジをする。これは雄介自身の発案であり、それを一条に相談していたことが分かるのが冒頭のシーンだ。一条としては掛け声があってもなくても良いんだろうけど、こうした他愛のない会話がまた出来た喜びを噛み締めているような優しい笑顔がとてもいい。

 

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雄介が「超変身!」の掛け声を付けた理由を想像してみると、いわゆる特撮ヒーローのご都合主義(変身の際に何かしらのかけ声を言う)に則った形にはなるのだが、これも好意的に解釈をすれば、雄介の中でスイッチを入れるための動作というか、命をかけた戦闘で自身の気合いを入れるためのモーションなのかなと感じている。前提として、雄介はどんな理由があっても暴力を振るうことを嫌っているため、グロンギとの戦いを楽しんだりノリで挑むような事はしないと思っている。それでも掛け声を付けた理由は、そんな自分でも皆を守る為に戦うんだという自身を鼓舞するためなのかなと。フォームチェンジをせざるを得ない状況って、それだけ戦いが激化している証左であるとも言えるのだ。



あらためて雄介の仲間たちのおかげで判明したことを整理しておく。

・霊石「アマダム」が自浄作用を働かせた。

・白血球を大量に生み出しギノガの毒素に対抗

・しかし人の体温で最も繁殖する事を知り、仮死状態になる事を選択

・「アマダム」はゴウラムの背中にも付いている

 

超古代文明のもたらす人智を超えた力に対して、医学的な観点と考古学研究の立場から見解を深めるシーンは、非常にリアリティを感じる演出だ。

 

そういえば「アマダム」という言葉に由来はあるのか気になって少し調べてみた。なんと古典に「天飛む(あまだむ)」という掛詞が使われていたらしい。枕詞とは特定の言葉に掛けてその言葉の意味を補足する役割をもった言葉のこと。「天飛む」は「軽」という言葉に掛けてよく使用されていたらしい。自分は学生の頃から古文の成績があまり宜しくなかったので何となくでしか把握できないのだが、「天に飛ぶ」と書いて読むアマダムはどこか青空を連想させる言葉だし、空を飛ぶことが出来るゴウラムにも繋がる言葉だなとあらためて膝をうった。

 

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前話で倒されたギノガの破片から細胞が自己成長を遂げて、ギノガ変異体として復活した。しかしそこに自我はなく、視界に入るものを手当り次第に襲う怪物と成り果ててしまった。体内に毒の胞子を蓄えておくことが出来なくなった代わりに肉体が発達したため、ギノガの頃と違って格闘戦が得意になったことが特徴的だ。

 

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科捜研の研究室で気持ち悪く動き出すあのグロテスクな造形を見て「遊星からの物体X」を思い出した人も多いはず。まあ〜〜〜〜気持ち悪いったらありゃしない。段取りの流れとして非常に『クウガ』らしいなと思うのが、一条は変異体を倒すとまた菌糸が飛び散って復活する恐れがあることに気づくが、科捜研の調べで変異体は不完全なため復活する可能性はないことが判明すること。この一連のシーンを、雄介が変身し現場に急行するまでのわずかな間でわざわざ入れる律儀さが、ちょっとくどい気もするのだが誠実さを感じる。

 

 

二週ぶりのマイティフォームはとても久しぶりのように思えるけど、クウガの基本形態といえば赤色だなあと。変異体はクウガと互角の戦いを繰り広げるものの、建物を反転蹴りした勢いで放たれた強化マイティキックの前に絶命。しかしいつもなら必殺技を食らったグロンギはその場で爆発するが、今回は何も起きず。そしてクウガの両足が一瞬電気を帯びたようなカットが一瞬挟まれるのは、今後の展開に向けて新たな布石となっていく。



それではまた次の更新で。

 

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(↑第21話の感想はこちら)