
(↑第22話の感想はこちら)
ついにクウガは新たな力に目覚める。これまで何度か足元や腕に電気が走る様子が描かれていたように、雷の力をその身に宿して各フォームの特性を強化させて更なるパワーアップへと導くのだが、桜子(演:村井和美)は解読した古代文字に力を得た代償として不穏な気配を感じさせる一文を見つける所から第23話はスタートする。
未確認生命体第31号に恩師を殺害されていた奈々(演:水原詩生)がポレポレに復帰した。ガルメの発言でグロンギが人間を次々に殺害するのは狩りの一つだったことが判明したが、そんな娯楽で命を奪われてしまった事実があらためて深く伸し掛かる。いつもの冗談を交えながら励ますおやっさん(演:きたろう)に奈々も口では面倒くさそうにしているが、おそらく本心では嬉しかったのかなあと。おやっさんって歴代の同ポジキャラに比べると何かアドバイスを贈ってキャラを励ますタイプでは無いんだけど、一緒に悲しんだり喜んだりして隣で寄り添ってくれる優しさに溢れている。その懐に両親を早くに亡くした雄介(演:オダギリジョー)もみのり(演:葵若菜)も大いに救われたんだろうなと想像できる。
桜子の解読した碑文には「聖なる泉枯れ果てし時 凄まじき戦士雷の如く出で 太陽は闇に葬られん」と記されていた。新たな力を得ることにヒロイックな意義だけを持たせるのではなく、その力もまた”暴力”なのだというテーマ性は『クウガ』において一貫して描かれていくため、雷の力が目覚めたことを発端とする今回の軸は、作品の展開が進むにつれてより深度を増していくことになる。しかし仮死状態から復活した経緯を踏まえると、他のキャラはそこまで心配しないのも納得で、椿(演:大塚よしたか)は桜子と親密になれるチャンスとばかりに口説こうとする。ちなみに今回の脚本は井上敏樹であり、椿がイキイキしている時はたいてい井上脚本なのである。
今回はついにメ種族最強のグロンギ、メ・ガリマ・バ(演:木戸美歩)がゲゲルに参戦。以前から登場していたキャラだったが、数少ない女性のグロンギとしてバラのタトゥーの女(演:七森美江)とは違った異彩を放つ存在であった。ガリマの能力元になったカマキリは、自然界においてメスの方が強い事は広く知られており、身体も大きく生殖行動中にオスは捕食されてしまう事もあるらしい。だからこそガリマが女性だというのも納得がいく。
昨日、グロンギ飲みをして来ました🍺
— 木戸美歩 (@miho_kido) 2019年11月29日
メンバーは、石田監督、荒川さん、高寺リーダー、オダジョーさん、七姉、AKIRAさん、わかなちゃん🌸
楽しかった〜✨
皆 当時と全然変わってなくて 気兼ねなく何でも話せるクウガメンバー最高です♫#クウガ #グロンギ飲み #仮面ライダー #平成ライダー #kuuga pic.twitter.com/2F1lWkCoKC
(↑演じられた木戸さんは本編と違って笑顔が素敵な姐さんです)
メ種族の上位にあるゴ種族になるのは自分だと豪語しており、ゲゲルの難易度を上げるためにゴ種族のやり方を踏襲して行うと宣言。自分の実力に相当な自信があるように見えるのだが、それも納得の強さと恐ろしさを兼ね備えている事がゲゲルによって判明する。ガリマはカマキリの特性を持つため、恐らく自身にもカマのような爪があるはずなのだが、そうではなく武器として両刃の大きなカマを所持している。これもまたゴ種族のやり方に倣ったものなのだ。このカマですれ違いざまに首を斬られた人間は、その斬れ味が鋭すぎるため振り返るまで生きていた可能性があるほど。
#クウガ20周年配信 グロンギの価値観などは「グロンギ博士」と呼ばれる文芸の村山桂さんによって作られていましたが「振り向くな」という声に思わず振り向いて被害者自らが死を選んでしまうという惨たらしい有り様も村山さんのアイディアでした。#kuuga#nitiasa#超配信#クウガ20周年
— 高寺成紀☺ (@taka_69s) 2020年11月28日
カマキリは狩りをする際に待ち伏せをする。獲物が自分の前足に届く範囲に来るまで待ち、懐へ入った瞬間に獲物を仕留める。その間はわずか一秒にも満たないらしい。斬った直後にガリマが言う「振り向くな」は悪の名セリフそのもので、その言葉に振り返った途端、首がストンと落ちてしまう。さすがに断面は見せられないものの、倒れ込む体と流れる血でどんな惨劇が広がっていたのか視聴者の想像に委ねる演出が恐ろしい。
直接は映されないものの、明確に視聴者層のメインターゲットでもある子どもが死んでいるシーンは、相当攻めているなと感じる。
#クウガ20周年配信 ガリマ(敵)の武器を自らの武器に変えるという発想は、文芸の大石さんの案だった気がします。文芸チームの知恵は『クウガ』をリアルかつ豊かにしてくれていました。#kuuga#nitiasa#超配信#クウガ20周年
— 高寺成紀☺ (@taka_69s) 2020年11月28日
現場に到着した雄介はガリマが歩いてきた方向からバイクに乗って現れたため、おそらく標的となったこの親子の死体を確認したのではないかと想像する。すかさず雄介はクウガに変身し、ガリマと交戦。ガリマは自分の身丈ほどあるカマを軽々とぶん回しクウガを翻弄するが、打撃を与えカマの一方を破壊する。そしてそれを手に取り、タイタンフォームへと超変身。大剣を装備して挑もうとするが、ここでまたもや雷がクウガの体に帯び始める。

次回、クウガはついに金の力をその身に宿す。
それでは次の更新で。
(↑第24話の感想はこちら。)