
(↑第23話の感想はこちら)
メ集団最強のグロンギ=メ・ガリマ・バ(演:木内美歩)と激戦を繰り広げるクウガ。地面に落ちたカマを拾い上げてタイタンソードに変化させる一瞬がすごく好きというか、わざわざトライアクセラーを取りに行かずとも手近なものを武器に変えられるのがクウガの強みなのだと実感する。大鎌と剣、両者の斬り合いはほぼほぼ拮抗するが隙をついてクウガがガリマを弾き飛ばす。そして到着したゴウラムが合体しトライゴウラムアタックをガリマに喰らわせるも、身体を覆うほど大きな封印の刻印を自力で消滅させる。やはりメ集団最強というのは伊達ではなかった。
#クウガ20周年配信 ガリマ(敵)の武器を自らの武器に変えるという発想は、文芸の大石さんの案だった気がします。文芸チームの知恵は『クウガ』をリアルかつ豊かにしてくれていました。#kuuga#nitiasa#超配信#クウガ20周年
— 高寺成紀☺ (@taka_69s) 2020年11月28日
ところでガリマが行ったゲゲルのルールだが、解き明かしてみると大変複雑な規則が設けられていた。これまでのグロンギは特定の場所を指定して一定時間内に殺戮を行うケースがほとんどだったが、今回は電車の車両という場所の指定に加えて何時発の両数まで決まっていた。グロンギにとって人間を殺すなんて造作もないはずだが、あえて厳格な条件を設けた上でそれをクリアすることを至上の喜びとする。どこまでいっても、人間を殺すことは娯楽なのである。そんな事のために命を奪われてしまう無情さが、聞き込みで涙を流す被害者家族の姿から伝わってくる。
#クウガ20周年配信 ギノガはモチーフを同じくするキノコモルグが源流でしたが、ガリマはサボテグロンの面持ちに近い気もします😉ショッカー怪人の特徴はモチーフの口がどう格好良くアレンジされてるかだと思いますが、元ネタを観察した上でイメージも加え飛躍させ纏めた高橋章さんの手法は正に神業です pic.twitter.com/KLqAAg1u28
— 高寺成紀☺ (@taka_69s) 2020年11月28日
彼らがゲゲルを進めた先に何が待っているのか。いわゆる悪の組織として定番の人間界の支配を目的にしていない、だからこそ怖い。そのためグロンギにとってクウガはゲゲルの対象ではなく、ボーナスポイントのような立場なのだ。つまりクウガを倒せばリント数人分として加算されるわけで、彼らにとってのクウガは確かに邪魔者なのだと。
今回はヒロインである桜子(演:村田和美)がドラマの中心に存在し、ゲゲルのターゲットにも選ばれている。『クウガ』のメインキャストだからといって必ず命の保障はされない危うさをあらためて実感する。雄介(演:オダギリジョー)の身に起きた雷の力による変化を案じ、碑文に記された内容に不安を感じる桜子が、それでも雄介の人間性を信じて自分に出来ることを探すという作劇の流れになるのだが、そこに少し思うところが見受けられた。というのも今回の作劇は大まかな流れとしては第5話・第6話と変わりはなく、桜子が納得を得る流れまで似たような印象を受けてしまうため、なにかもう少し差異が欲しかったなあと。とはいえ、雄介のもつ誰もを安心させる優しさや何とかしてくれそうな安心感を信じてみたくなるという桜子の心理は理解できるので、難しいところなのかもしれない。
#クウガ20周年配信 脚本を作る時「どんな話にするか」「誰メインの話にするか」辺りから打合せていくんですが「昭和っぽいけど・・・ヒロインが怪人に襲われる話、やってみる?」みたいなところから、今回のEPは出来ていった気がします。#kuuga#nitiasa#超配信#クウガ20周年
— 高寺成紀☺ (@taka_69s) 2020年11月28日
電気の力を試すために雄介は榎田(演:水島かおり)の元で実験を行い、その力をおおよそ制御できるようになる。科警研との繋がりがここに活きるのもアツいし、一瞬変身後の手の甲が映るあの演出にどきどきした事を昨日のように思い出せる。
桜子がガリマの行うゲゲルの対象者であることが判明したのもつかの間、ガリマが桜子を見つけてしまい、次の標的となってしまう。しかし間一髪のところで雄介が現着し、ギイガ戦以来となる初手からタイタンフォームに変身して応戦。マイティフォーム以外にいきなり変身するのはどうしてこうテンションが上がるのだろうか。戦いの中で発生した雷は前回よりも激しさを増し、クウガの全身を覆っていく。新フォームへの変身といえばケレン味溢れる演出を重ねながら形態を変化させるが良いのだけど、金の力を手にするシーンではあくまで自然発生した雷の力が不規則に大きくなり、やがては全身に帯びていきながら姿を変えるのが若干の不穏さを残しているのが良い。
こうして姿を変えたのが金の紫の力、ライジングタイタンである。銀色だった装甲は紫色に変わり、所々に差し込まれていた紫色のラインは全て金色になっている。4フォームそれぞれに金の力はこれから定着するのだけど、とりわけ前フォームとのギャップが一番大きいのはライジングタイタンではないかと感じている。4形態のデザインは特性に合わせて一目で判断できるシルエットが最高なのは勿論なのだが、そこにカラーリングを変えただけで見栄えが劇的に変わるというのは子供心に衝撃的だった。タイタンフォームの時よりもモチーフである紫色を強く前面に押し出した奇抜さの中に、古来より高貴な象徴とされている上品さも兼ね備えているのである。

タイタンソードにも金の力が影響を与えており、剣先には金色のパーツが取り付いたライジングタイタンソードへと変化。まさに大剣と呼ぶに相応しい大きさである。当時ライジングに変身できる玩具が発売されたとき、この金色のパーツのみが発売され、それをベルトや武器のDX玩具に取り付ければ良いという大変良心的な玩具だった。友達の家にあったタイタンソードにライジングパーツを取り付けた時に、そのあまりの大きさに片手で振り回すのを躊躇ってしまったことをよく覚えている。それをライジングタイタンは軽々と片手で扱い、ガリマへと静かに向ける、たった一瞬のその動作が痺れるほどかっこいい。
ガリマがクウガに猛進しカマを振り上げた瞬間、その懐をめがけて大剣を腹部へ穿く。これがライジングカラミティタイタン。ガリマは爆散し、メ集団最後で最強の怪人はここで散っていった。
次回、ついにコ゚集団の怪人が登場。
戦いはさらに激化していく。
それではまた次の更新で。
(↑第25話の感想はこちら。)