
(↑第26話の感想はこちら)
コ゚集団によるゲゲル”ゲリザギバスゲゲル”がついに始まる。被害者の数も多くなり、クウガと警察はより過酷な戦いへと身を投じていく。しかし未確認生命体の事件が与える影響は人命を脅かすだけに留まらない。彼らがいつ出現し得るか分からないため自粛を促され、商業施設は営業を停止し、遠方からの客足は遠のいていく。コンビニの営業時間が短縮されて嘆く若者たちや(第21話)、普段よりも客席に空きが目立つ「ポレポレ」に実感が伴うのは、私達がコロナ禍という未曾有の事態を身をもって経験したからだ。劇中で描かれる未確認生命体による様々な社会情勢の変化がそのままコロナ禍に取って代わるのは、いかに『クウガ』のリアルシミュレーションが精密だったかの証左だろう。
ひとたび外出すれば未確認生命体に狙われるかもしれない。命が何よりも最優先なのは勿論だが、それはそれとして社会という歯車は回り続けていく。コロナが蔓延した時も全ての社会機能を停止させる訳にも停止することも出来なかったが、同時に人々の中には我慢するストレスが溜め込まれていたことは言うまでもない。
#クウガ20周年配信 プールの背景で掛かったモー娘の「ハピサマ」は、当時ハロヲタだった渡辺監督の公私混同的な選曲です(どの口が言うか)😌#kuuga#nitiasa#超配信#クウガ20周年
— 高寺成紀☺ (@taka_69s) 2020年12月12日
おやっさん(演:きたろう)や奈々(演:水原詩生)がしきりに湘南へ行きたいと嘆いていたのも心から行きたかったのだろうなと今になると思うし、妥協して都内のプール施設に変えたのもせめてもの気晴らしというか。人が多い密集地=未確認生命体に狙われやすい=コロナに感染しやすい、分かっていても何故人はそこに足を運ぶのか。その心理を理解できなくても今の私達なら共感することは出来るだろう。収束するタイミングがまるで分からない先の見えない状況に、将来への不安が過ぎってしまうみのり(演:葵若菜)の同僚で先輩の恵子(演:岡田理江)の言葉にも実感が伴う。
おやっさん達が楽しく談笑しながらプールを後にした時に、黒髪でロングヘアーの女性とすれ違う。まさかそれがこの後ゲゲルを繰り広げる未確認生命体だとは夢にも思わないだろう。未確認生命体第38号=ゴ・ベミウ・ギ(演:伊藤聖子)はウミヘビの特性を持ち合わせたグロンギで、水中での戦闘を得意としている。武器にしている鞭で瞬間的に零下150℃の超低温状態を作り出し、対象に心臓麻痺を起こして死に至らしめる。地球上に生息するウミヘビに低温状態を作ることはできないが、体内に神経毒を持ち合わせている種もいるようで、噛まれてしまうと心臓麻痺を引き起こすこともあるという。
#クウガ20周年配信 ショッカーの海蛇男を原点にしているベミウ。なので体色も当初は緑系でしたがインパクト(悪くて強そう感)に欠けると思い紫系に変更。モチーフの海蛇自体にはデザインの糸口となるような特徴的部位がないため、頭部は牙、蛇舌、蛇腹を組み合わせた苦肉の構成になっています(続) pic.twitter.com/L98M6KrjXW
— 高寺成紀☺ (@taka_69s) 2020年12月12日
現場へ急行する雄介の前にバイクで現れた謎の男(演:小川信之)は、第22話でも姿を現した。赤いマフラーを身にまとい専用バイクを駆る姿は、紛れもなく仮面ライダー1号のオマージュである。現在であれば間違いなくグロンギ側の仮面ライダーとして、もっとリファインされた姿になるのかなと想像してしまうが、怪人態へ姿を変える際にグロンギにとって全く必要のない変身ポーズをキメるのは、あまりにも直球すぎるアプローチではある。そんな1号オマージュのキャラに後々大量殺人をさせるのだから『クウガ』はかなり攻めていたのだなと思わされる。この謎の怪人はコ゚・バダー・バ、第5話と第6話でクウガと戦いを繰り広げたズ・バヅー・バの双子の兄である。(公式の設定にはあるが本編中でその二体が血縁関係にあったことは明言されていない)
法律改正の関係で現代では難しくなってしまったが、公道を使ったバイクチェイスは『クウガ』の見どころとして欠かすことができない。今回は廃工場の中でクウガと謎の怪人がバイクを乗りこなしながら激しいアクションを繰り広げる。前話の25・26話がドラマ中心の作劇だったため、その振り戻しの意味合いがあったのかもしれない。バイクアクションはプロバイク選手だった成田氏がアクターを務めているだけあって、スーツを着たままとは思えないアクロバティックな動きを披露する。
ベミウの殺戮をいかに止めるのか。
そしてバダーの襲撃を受けたクウガの運命はいかに。
それでは次の更新で。
(↑第28話の感想はこちら。)
