
2025年も今日で終わり。
今年も一年ありがとうございました。
ふと調べてみると、今年はブログに記事を投稿した数が歴代で一番多い年になったそうで、足を運んで下さった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。そんな2025年最後のブログ更新は、こっちに移行してから実はやったことがなかった映画鑑賞の年間ベストを発表したいなと思います。発表する作品の中には既に配信を開始しているものもあるので、気になった作品があれば是非チェックして貰えたら嬉しいです。それではいってみましょう!
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第10位『チェンソーマン レゼ篇』

原作は既読、アニメは未見のまま鑑賞という形で劇場に臨んだのは申し訳なかった。しかしまあこれは抜群に面白過ぎたというか、MAPPAの布陣でレゼ篇をやるという期待値にしっかり応えつつ、その期待を遥かに超えていくクオリティに完敗。特にチェンソーマンvsレゼのバトルシーンの作画に関しては、とにかくもう凄すぎて何が起こっているのか逆によく分からず、混乱するほどの迫力に圧倒された。これを劇場で観られた事は鑑賞体験として、素直に感動した。原作でもレゼ篇はこの章だけで纏まっているので、映画単作に仕上げたのが本当に功を奏したんだなと思う。後にも先にもレゼは本筋にも関わらないし、映画を観ていなくてもさして問題ないっていう割り切りの良さも残酷さが増して心がしんどい。レゼを演じた上田麗奈さんがハマりすぎて、凄いを通り越して怖くなった。なんなんだあの声は……天性のレゼ過ぎるだろ……。MAPPAの超絶作画で動くレゼの一挙手一投足に上田麗奈の声がつくと、人類はこうして狂わせられていくんだという実感が湧いてきた。デンジ、お前は俺なんだ……。

(↑ちなみにIS:SUEのRINOさんは現在髪色が赤く、自分にはこれが実写版のマキマさんにしか見えません。)
第9位『バレリーナ:The World of John Wick』

『ジョン・ウィック』シリーズを愛好している自分にとって、まるでご褒美のような作品だった。本家で描かれた緻密でフェティッシュな殺し屋達が生きる世界観を堅実に受け継ぎつつ、運命に巻き込まれながら覚悟を決めて復讐を選ぶ主人公イヴにアナ・デ・アルマスがあまりにもはまり役過ぎた。力で勝る屈強な男を相手に、女性ならではの素早さと細やかな技を活かしたアイデアが満載のアクションは、息つく間もなく繰り出されていく。華奢な体にデカい銃を構えるアンバランスさも良いし、ハンドガンやナイフを体術と組み合わせて傷だらけで相手に立ち向かう泥臭さも良かった。サプライズで”伝説の殺し屋”も少し登場するのだが、チラ見せでも十分だったのにしっかり見せ場も用意されていてニヤついてしまった。終盤が近づくにつれてイヴの立ち向かう敵のスケールが想像以上にデカくなるため、「ど、どうやって収集をつけるんだ……。」と心配になるのだけど、安心してください解決しますよ(とにかく明るい安村)と言わんばかりにド派手に暴れ回るのが痛快すぎて、これまた何度笑みがこぼれたか。クライマックスで魅せる火炎放射器vs大型ホースの放水は、最高にバカバカしくもアツい展開を生み出した屈指の名シーンだと思う。
第8位『爆弾』

1秒も安心できない張り詰めた緊張感と得体の知れない恐怖がノンストップで襲ってくる。映画館という鑑賞することを強いられた空間が、逃げられない取調室とまるで地続きかのような錯覚を覚える。とにかく佐藤二朗という俳優が素晴らしく、取り調べを受けるスズキタゴサクに翻弄され続けるワンシチュでここまで魅せられることに感服。こんなにも底が知れず徹底的に不愉快を生み出せるキャラクターを見事に演じきれるなんて……。こうしたほぼ全編続く取調室のシーンは、完全にスズキタゴサクの独壇場。あの気持ち悪さに吐き気さえ感じるのに、その狂気に取り憑かれ気づいたら喰われてしまう。佐藤二朗という俳優が築き上げたコメディアン的なパブリックイメージを逆手に取るというか、「格下だと思ってナメてかかると……」で完全に大火傷をするパターン。ほぼ全編が取調室のシーンになるにも関わらず、非常にテンポよく且つ最小限で最大限の描写を徹底していたのが素晴らしかった。主人公や警察側の人となりが分からなくても、誰しもが「善」「悪」の両面を兼ね備えており、そのギリギリの境界で「正義」に基づいて行動するのがどれほど難しいか。山田裕貴演じる塁家がスズキタゴサクの考えに同調する場面もあったように、表裏一体ともいえる善悪を分けるものは何なのか、そこに微かな光を感じるための「正義」がある事にグッときた。
第7位『映画 仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』

近年のライダー夏映画ではトップクラスに面白かった。異世界転生の番外編的な展開ながらも「これが観たかった」という期待に堅実に応えつつ、作品のエッセンスをギュッと詰め込んだドラマとアクションシーンの連打が圧巻。詳しくは記事に書いてあるので詳しくは割愛させて頂くけど、やっぱり杉原監督こだわりのアクションシーンは顕在で、縦と横の線を意識したアクションとアクロバティックなCGを掛け合わせたゲーム映像のような質感は、劇場版でも冴え渡ってた。そしてクライマックス。ガヴ新フォームvsカリエス最終形態のクライマックスバトルが、本当に本当に素晴らしかった。杉原監督のスキル全部乗せアクションのオンパレードでスピード感溢れるCGと手数の多い近接格闘が交互に押し寄せてくる最高の滅多打ち。そこへ「最後の審判」アレンジがフル伴奏。この『最後の審判』アレンジver、溜めて溜めて溜めてショウマが「どうする?」のセリフを言う時にあの大サビを爆発させる曲構成が痺れるほど滾るほどに格好良かった。本当に堪らず致死量で浴びられて最高だった。
第6位『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』

めちゃくちゃ面白かったです。これは泣くよ。観に行った方の感想を拝見すると、ほぼ全員が面白かったという声で溢れていたので、TVドラマ・SPドラマ・劇場版1作目を鑑賞し、公開から既に1ヶ月ほど経っていたけど、映画館へ駆け込んだ。もちろん作品の文脈や世界観を把握していると、続編としてのクオリティと隙の無さに完敗。しかし決してシリーズを追っていなくても、災害ディザスター映画の視点で充分すぎるほど楽しめるので、これを機に「TOKYO MER」を知るきっかけにもなるだろう。火山噴火からの救出という不可能な任務に挑む鈴木亮平演じる喜多見チーフと南海MERの活躍、そしてお馴染みのメンバーたち。島からの脱出という危機を乗り越えてから、更に二転三転する予測不能な展開。これまで喜多見チーフの超人性に焦点を当てた作劇が中心だったけど、今作は南海MERというチーム全体の活躍であったり、最後まで諦めない島民たちの結束力が描かれていたりなど、シリーズのお約束とも言える箇所を自覚的に抑えた結果、新たな魅力が付加されているのも素晴らしかった。来年公開される完結編も必ず観に行きたいと思う。
第5位『グランメゾン・パリ』

TVシリーズから追っていたファンからすると、総決算として万感の完結編だった。確かに題材としては使い古されたであろう三つ星を狙う料理人のドラマなのだけど、「木村拓哉が一流料理人を演じ、頂点を目指す。」というコンセプトを首尾一貫で貫き通し、最高のキャストとスタッフでこれを成し遂げたことに、意義を感じる作品だった。そしてそれが本当に面白かったのだから、大満足である。自分がこの作品をとても好きな理由として、とにかく劇中の料理が美味しそうで、その根底には食へのリスペクトを深く描いてくれている点だと思う。命をいただくのであれば、それを一番美味しい状態で食することが最大の敬意である、ここを奇をてらわずに直球で描き、”お客様に喜んでもらう”為に全力を尽くす尊さが伝わってくるのがすごく良いんだなと。そしてやっぱり木村拓哉は、カッコいいよ。
第4位『ミッション・インポッシブル ファイナル・レコニング』

ひたすらに圧巻。圧倒。完敗。トム・クルーズの常人離れした存在感と俳優魂を180分ノンストップで浴びるという鑑賞体験は、もう二度と体験できないだろう。彼が映画人として文字通り命をかけた生き様が、そのままイーサン・ハントという男が世界を救うために捧げてきた人生とオーバーラップせざるを得ないので、映画としての"文脈"をスクリーンに叩きつけられたし、大いにそれを受け取った次第である。M・Iシリーズはトムのキャリアと共に歩んできた作品であり、彼を一躍トップスターに仕立てたシリーズに間違いないので、その集大成的な作品にあらためて「イーサン・ハント」個人に焦点を当てた作劇が展開されることに納得感しかなかった。正直宿敵であるガブリエルとの決着やドラマに惜しかったと感じる部分もあるけど、トム・クルーズがミッションというお膳立てで敷かれた限界アクションに、挑戦し続ける姿を魅せられると何も言えなくなってしまう。中盤の潜水アクションなんてトムは海水パンツ1枚だし還暦を迎えた俳優の姿には見えないし、クライマックスの飛行中のプロペラ機にしがみついて移動する姿なんて、何でそこまでするのか意味が分からない。それでも映画という媒体の可能性を信じ、トムは自分にできることをただやっているだけで、彼にとってこれは普通なのだろうなと思うと畏怖の念しか浮かばない。
第3位『ひゃくえむ。』

たかが100mされど100m。それをたった10秒で走りきる為に、何もかも全てを人生を捧げて注ぎ込んだ選手たちの、情熱と狂気の世界を見事に描ききった大傑作だった。ロトスコープという撮影手法で描かれたアニメーションは、二次元なのに限りなく三次元に近く、まさに映像の革命だった。迸る気迫と熱気が全力疾走する筋肉の躍動に、細部まで宿っていることがビシバシと伝わってくる。曲がりなりにも陸上競技を中高6年間やり続けていた身として、自身に重ねざるを得ない場面が何度もあった。主人公は天才型のトガシと努力型の小宮という二人だが、いわゆるセオリーとは逆に天才型のトガシがドラマの中心を担っており、足の速さで数々の栄光と地位を得てきた彼が、人生における様々なフェイズで挫折を経験していくのが、妙にリアルだった。小学校・高校・社会人編の三幕構成で展開されるが、どれもトガシの精神面を優先したドラマになるため、かなり歪な繋がり方をしている。しかし100mのレーンが決して隣のコースと交わることはないように、トガシと小宮そして他の選手達、それぞれの出会いが互いの競技人生に影響を与えることはあっても、走るときは常に一人。自分の走るレーンで満足のいく結果を出すしかない過酷さを体現しているようだった。人生が辛く苦しく逆境にあっても、なぜ走ることを辞めないのか。ただ走ることに情熱を注ぎきった彼らのドラマは、Netflixで独占配信されているため是非確かめて頂きたい。
第2位『シャドウズ・エッジ』

今年一番のダークホース。正直ナメてた自分をぶん殴りたくなるほど、めちゃくちゃに面白かった。正直これを1位にするかどうか最後まで悩みました。警察の追跡プロチームvs凄腕犯罪集団の王道ポリスアクションという筋書きに、二転三転する予想外の展開、畳み掛けるハイスピードアクション、そして次世代に引き継がれるドラマが胸をうつ。どこを切り取っても隙がない面白さだったし、逆にダメなところが全く浮かばないというか。ジャッキー・チェンが主役にはなるんだけど、決してその威光をバリバリに出すバランスにはせず、あくまで若い世代の成長ドラマが中心にあるのは良かった。過去の後悔をどう背負うのかを軸に、老刑事と暗殺者それぞれの残したものが次世代に影響を与え、その選択と結果で物語が動いていく。上映時間は2時間30分近くあるにも関わらず、ずっと面白かった要因を考えてみると、常に観客の予想を少しだけ上回っていたことにあるのかなと感じた。例えば劣勢にある追跡チームの隊長が4人を相手に善戦するシーンや、潜入捜査でジャッキーと敵ボスが想像よりも早く打ち解けて食事会を囲んだりする。登場人物の個性を強調したり、お決まりの展開を早めに消化してストーリーを転がしていくなどの工夫が随所に見られた。そして何と言っても、敵の親玉である暗殺者レオン・カーフェイがめちゃくちゃ怖かった。冗談抜きで画面に現れると、空気をガラッと変えてしまう覇気がある。情緒が不安定で思考回路がヤバイし、その上で頭がキレるので常に二手三手先を読んで警察を翻弄。しかも戦闘能力は作中最強レベル。中盤の廃館で繰り広げられるナイフ無双のシーンは、言葉に表すと陳腐になりそうなほど凄かった。ジャッキーと対になる存在として、レオン・カーフェイの渋さを感じる演技も流石だったし、とは言いつつジャッキーの温かさを感じるキャラクターも良くて……。この両雄が遂に邂逅を果たし一騎打ちを繰り広げるクライマックスは、息を呑むこと間違いなし。この年末年始にぜひ劇場で鑑賞してほしい作品です。
第1位『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』

やっぱり今年はこれでした。文句なしの年間ベスト。ありがとう……本当にありがとう。先日アマプラでも配信解禁されたので再見しましたけど、やっぱり面白かった。こちらはブログに感想記事も残したけど、「あー、これ今年はこれ以上の映画に出会えないかもしれない。」と思って劇場を出たのを覚えている。界隈にも口コミで徐々に広がり日本語吹き替え版も公開、年明けには念願のサントラも発売され、前日譚を描いた続編と九龍城砦のその後を描く完結編も制作決定らしく、”トワウォ旋風”はまだまだ続いていきそう。義理と人情、そして友情。描いていることはとてもシンプルな王道、だからこそこの時代に生きる私達に刺さったのかもしれない。そこに谷垣健治氏が手掛けたアクロバティックなアクションの数々が華を添える。そして最後にどことなく懐かしいノスタルジーに心が満たされる。あなたも是非この映画を通じて、九龍城砦へ足を運んでみてほしい。
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というわけで、2025年の映画ベスト10はこちらになりました。
1位『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』
2位『シャドウズ・エッジ』
3位『ひゃくえむ。』
4位『ミッション・インポッシブル ファイナル・レコニング』
5位『グランメゾン・パリ』
6位『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』
7位『映画 仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』
8位『爆弾』
9位『バレリーナ:The World of John Wick』
10位『チェンソーマン レゼ篇』
なんだかすごい雑多な組み合わせになりましたけど、それだけ色々な作品を観ることが出来た一年になりました。
それでは今年もあと少しですが、
皆さま良いお年を!



