今年の3月から利用し始めたApple Musicのおかげで、色んなジャンルの楽曲を聴きやすくなった。ほんと便利な世の中になったなあ・・・とつくづく感じる。これまでは、CDをレンタルビデオ屋で借りてiTunesにインポートし、配信限定の曲はストアで購入するというのが自分のスタンスだった。しかし、iTunesを取り込んだPCが数年前に寿命でおしゃかとなり、代替機を未だに買えていないという状況に陥ってしまったので、やむなくサブスクへ切り替え。やっぱり最初は「聴き放題よりも俺の作った俺のためのプレイリストが聴きたいんだよ・・・」と未練タラタラだったのだが、常に最新の曲がいつでも聴ける便利さと、楽曲のラインナップが日々アップデートされているおかげで、今や生活の必需品となっている。
そんなApple Musicから、この一年を自分がよく聴いた楽曲を振り返る「Replay’22」が発行された。よく聴いたアーティスト、アルバム、総再生時間などがランキング形式で表示されるのだけど、せっかくなので「今年よく聴いた楽曲」からベスト5を発表したいと思う。こういう振り返り記事を書いていると「年末だな〜〜〜〜」と実感してしまう。ちょっと気が早いかもしれませんけど、早速いってみましょう。
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第5位
『M八七』米津玄師
作詞・作曲・編曲:米津玄師
完敗。俺の負けだ。
もうこんなの叶わねえよ・・・。良すぎる・・・。
誰よりもウルトラマンを理解していると自負した全世界の特撮オタクが、どれほど心をへし折られただろうか。ここまで銀色の巨人に寄り添った楽曲が、今までにあっただろうか。今年の5月ついに公開された『シン・ウルトラマン』の主題歌を任されたのは、今や邦楽界を牽引するトップアーティストの米津玄師。「ウルトラマンの主題歌に、米津玄師が起用されるとは・・・」と、公然と出されたその事実をまるで受け止めきれなかったことが昨日のように思い出される。ウルトラマンの主題歌としてパッケージされた楽曲が、普通にFM802から流れてくるなんて・・・。
子供の時に抱いたウルトラマンへの憧れやノスタルジーさを込めつつ、地球を守ろうとするウルトラマンの視点で、米津玄師が美しい詞(ことば)で紡いでいく。随所に散りばめられた銀色の巨人を感じさせるワードのセンスというか、その詞を聴いた私達が何を想起するか逆算された塩梅が、あまりにも絶妙。どこを切り取っても、心の琴線に触れてくる。
劇場で『シン・ウルトラマン』を観た時、二回目は父と観に行っていた。父もよく昔から映画を観るし、幼少の頃の私と一緒に特撮番組を見てくれていたので、今回の映画も非常に楽しみにしていた。ただ、父はエンドロールが苦手で、基本的にそれを観ずに劇場を退出してしまう。しかしながら今回は、全く席を立たなかった。チラッと横目に確認しても全然その気配がなくて、退場した後にその理由を聞くと「映画はもちろん面白かったけど、歌(M八七)がびっくりするくらい良かった」とのこと。
ほんとに、米津玄師すげえよ。
(↑公開当時に書いた『シン・ウルトラマン』の感想記事です)
第4位
『ワールドイズマイン』ハンブレッダーズ
作詞:ムツムロアキラ
作曲:ハンブレッダーズ
編曲:うき・ハンブレッダーズ
自分がAppleMusicに加入して、初めてプレイリストに追加したのがこの歌だった。車の運転中にふとFM802から聴こえてきたのがきっかけで「この曲いいな」とすぐさまiPhoneにメモ。この曲自体は昨年にリリースされており、アニメ「迷宮ブラックカンパニー」のエンディングにも起用されている。歌っているハンブレッダーズ自体をそもそも全然知らないし、なんならこの曲以外全く分からないという状態なんだけど、すごく聴いていた。
基本的にポップでキャッチーなロックという楽曲なので、聴いているとテンションが上がってくる。気分が上がるかどうかは、曲を聴くという行為において非常に大切だと思う。その中に綴られる歌詞で、実は結構ずっしり響くフレーズがあったりしてドキッとさせられたりもするんだけど、楽曲として歌われているのは「考えるより動け!」「ポジティブにいこうぜ!」という前向きな方向なので、シンプルに「明日も頑張ろう」という気持ちにさせてくれる。
第3位
『After LIKE』IVE
作詞: ソ・ジウム
作曲:RYAN JHUN / Anders Nilsen / Andrè Jensen / Iselin Solheim
編曲:RYAN JHUN / Anders Nilsen / AVIN / SLAY
2022年に出会った楽曲の中で、最も衝撃的だったのは断トツでこの曲。
気になるアーティストへの食指が伸びやすくなったのは上にも書いたとおりなのだけど、特にK-POPを聴く機会がよく増えた。aespa、Kep1er、LE SSERAFIM、NMIXXなどなど、グループひとつ取っても千差満別で個性はさまざま。その中でもやはり別格だと感じたのが、今年の10月に日本デビューを果たしたIVE(読み:アイヴ)。
IVEがこれまでにリリースした「ELEVEN」「LOVE DIVE」はどちらも耳に残りやすいキャッチーな楽曲ではあったけど、インパクトに欠けていると個人的には感じていた。しかし、この3曲目のシングルで真価を発揮するがごとく、雰囲気をガラリと変えてきたのだ。
開始0秒で波状に脳を揺さぶられるような前奏にまずノックアウト。ダンスミュージックを意識したようなテンポ感で走り抜けながら、メンバーの個性的な歌声を活かした絶妙な歌割り、サビの「You and I」を独特なフレーズに置き換えた歌い方など、とにかく「クセ」が強い。しかしこの「クセ」は嫌味になるどころか、何度も聴き直したくなる「魅力」に昇華させているのが本当に凄い。
そしてどこか聞き覚えがある、馴染みのある曲だなと思っていたら、実はこの『After LIKE』はサンプリング曲だったのである。歌手のグロリア・ゲイナーが1978年に発表した「I Will Survive(和訳:恋はサヴァイヴァル)」の一部を使用し、公式で許諾を得ていたとのこと。主にサンプリングの使用された間奏パートは、ウェーブ形式に移ろうダンスが見ていて心地良かったり、メンバーのレイ&ガウルによる爆イケラップが素晴らしかったり、曲の見せ場となるここぞのタイミングで使用されている。上手い。ここに韓国が国を挙げて培ってきたエンタメセンスの一端を強く感じる。
ちなみにメンバーの皆さんもちろん全員好きなんですけど、特にガウルさんが大好きです。笑う時に大きく口を開けて笑っちゃう系の女の子に落ちる傾向がありまして・・・はい・・・。
(可愛いいいいいいいいいいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)
第2位
『初恋』Base Ball Bear
作詞:小出祐介
作曲:小出祐介
久しぶりにApple Musicで聴き始めて再燃した。
この曲のどういったところが好きだとか、それにまつわる高校生の頃の思い出とか、それはもう全部記事に残したのでぜひ読んでもらえるとありがたい。高校生の頃から数えると再生回数以上に聴いてはいるんだけど、本当に名曲だと思う。イントロから徐々に演奏の音が重なってまるで助走をつけるように疾走感が増していく前奏、「初恋」という言葉に対するベボベの解釈が込められた歌詞、もちろん最高にブチ上がって盛り上がるサビ、そして曲を締めくくるアウトロの雄大な演奏の中に感じるわずかな寂しさに胸がキュッとなるあの感じ、どこを切り取っても完璧な楽曲とはこのこと。ベボベに関しては、実はまだライブにも行ったことがない。『初恋』の生演奏を聴くことが、生きているうちに叶えたいことの一つだ。
(↑『初恋』への想いは、全てここに記しておきました)
第1位
『反撃、そして…』サクラ大戦 活動写真 全曲集
作曲:田中公平
この楽曲は、シリーズ初の劇場作品となった『サクラ大戦 活動写真』に使用されている劇伴の一つ。サクラ大戦の主題歌といえば、作品の代名詞ともいえる「檄!帝国華撃団」がとてつもなく有名だけど、この曲はそのオーケストラアレンジとなっている。こうしたオケアレ自体は既にいくつか制作されていて、アニメ版サクラ大戦の最終回のクライマックスでも流れていたし、ゲーム「新サクラ大戦」の最終決戦においても満を持して流れる演出が施されていた。
ただ、この『反撃、そして…』が他のアレンジ楽曲と大いに違っているのが、その楽曲自体の構成である。基本的な旋律は「檄!帝国華撃団」を踏襲しつつも、劇中のシーン展開に沿って演奏がアレンジされており、「いつもと違う」特別感の演出としてこの上ないクオリティなのだ。序盤は帝国華撃団が窮地に陥っている状況を示しながら、現状を打破する糸口が中盤に示される。そして反撃の狼煙が上がった時に、あの聴き馴染んだイントロが開幕する。オケアレをバックに、団員たちが各々で一撃を決めていく痛快さ。決めのカットが秒単位で続いていく。「檄!帝国華撃団」をよりヒロイックで勇壮に、交響楽団の重厚な演奏で完成されたこの曲こそ、まさに劇場版の豪華絢爛さに相応しい一曲に違いないと感じている。
この曲の最も燃える熱いポイントは、サビを終えた後に流れる大サビのパートである。既に今の演奏で震えるほど凄まじい楽曲が、もう一段階の進化を遂げる。音楽経験もないしその知識も乏しい中で恐縮だが、何故あの演奏からまだもう一つ音の厚みが増すのだろう。フリーザが最終形態に変身した時の衝撃ってこんな感じなのかな・・・とか思いつつ、もうとにかくラストの大サビパートの演奏が素晴らしかった。劇中でもちょうどこのシーンで、主人公のさくらがラスボスに渾身の一撃を決めるのだけど、絵面が完全に「MISSING ACE」のクライマックスと同じ構図だったのは、特撮好きとして感極まるしかなかった・・・。
(↑アニメ『サクラ大戦』の感想はこちら)
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トップ5の曲を振り返ってみると、確かによく聴いていたなあと。数字ってやっぱりウソをつかないんですね。来年はサブスクの長所をもっと活かして、色んなジャンルの楽曲に触れていきたいと思います。もちろんどんな新曲に出会えるのかも非常に楽しみ。ひとまず2022年の音楽面に関しての振り返りはこんな感じで締めくくりたいと思います。