感想『仮面ライダークウガ』EPISODE 6「青龍」

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(↑第5話の感想はこちら)

 

 

前回の直後から始まる第6話は、ドラゴンフォームへ姿を変えたクウガがズ・バヅー・バから徹底的に痛めつけられるシーンで開幕する。繰り返しになるが新フォームの初登場回で徹底的にヒーロー側がボコボコにされるのは、現行の仮面ライダーシリーズだと想像出来ないことだろう。なぜかバヅーがその場を去ったおかげで命拾いをしたが、 床に這いつくばって悶えるクウガの姿がなんとも痛ましい。

 

グロンギ達の生態も徐々に明らかになっていく中で、彼らには独自のルールが存在しており、それに則った"何か"を実行していることが示される。それが「ゲゲル」である。どのグロンギも自由に人間を襲っていいわけではなく、バラのタトゥーの女(演:七森美江) に選ばれた怪人だけが腹部のバックルに鍵のようなものを差し込まれて、その"権利"を与えられる。そしてグロンギは人間の命を奪う度に、自身の腕輪でその数をカウントしている。


さらにグロンギが人間を襲う時は、ある特定の条件に沿って行われているのである。バヅーがあの時クウガにとどめを刺さなかったのは、この条件から逸脱していたからであり、それは何よりも優先されるべき事項だということ。グムン・ゴオマ・メビオが街で暴れていた際に、こういったシーンが描かれなかったのも、彼らの行動が「ゲゲル」に当てはまっていなかったから。ヒーロー番組へのツッコミの一つである、怪人はなぜ複数で現れて人間を襲わないのか?に対する『クウガ』の現代的解釈のロジカルな答えである。

 

いくらクウガになったとはいえ、雄介(演:オダギリジョーの体はバヅーの高所からの叩きつけで全身打撲の大ケガを負ってしまう。心配で駆けつけた桜子(演:村田和美の前で苦しさを一切見せず、誰にも見えない場所で苦悶の表情を浮かべる姿は、雄介もまた一人の人間であり、こんな若者が今まさにグロンギという異形の者へ立ち向かっている過酷さをとてもよく表現していたのだと感じる。仮面の奥に素顔を隠しながらどれだけ傷ついても人々の平和を守るために戦い続ける、まさに仮面ライダーだ。

 

 

一条(演:葛山信吾が語っていたように、雄介と一条はとても似ている。性格や見た目の話ではなく、自分の中にある"芯"の部分である。だからこそトライチェイサーを託し共に戦っていく決意をした。ここで桜子に対して言い訳をしてもいいのに、ただ謝罪に徹するのが一条らしい。しかし一条よりも友人関係の長い桜子であれば、雄介を今さら止めることが出来ないことも、覚悟を決めた彼の決意が揺るがないことを、おそらく分かっていたのだと思う。ただ、何より自己犠牲を払い続けて戦う雄介が雄介でなくなるかもしれない、という「恐怖」「不安」が胸を覆っていたのだろう。劇中のたった数日間の中で何度も「死」に直面している桜子の気持ちを考えたら、心中穏やかでなくなるのは至極真っ当だと思う。

 


しかし雄介の妹であるみのり(演:葵若菜)は、そんな桜子を肯定する。そして「普通に考えて、普通にすればいい。」という言葉を口にする。これは第5話で雄介が桜子にかけた言葉である。この言葉って凄くシンプルだけど、どう解釈するかでニュアンスも変わってくる。自分もこの言葉の意味を考えた時に突き詰めていくと少し迷ってしまったんだけど、自分なりの解釈としては、「いつもと同じ、いつものままでいればいい」ということ。つまり桜子の中で「答え」が決まっていることを雄介は分かっていた、って意味だと思っていて、何が正しくて何をするべきか桜子なら「普通に考えて」「普通にする」意味を理解しているからこその言葉なのかなと。

 

 

一方その頃、杉並区で警官と第6号=バヅーが衝突。そこに一条が向かうもやはり警察は劣勢に追い込まれてしまう。ほどなくして現場に駆け付ける雄介。このシーンでバイクに乗って向こう側からやってくる画は、何度見ても「良いなぁ」と思ってしまう。仮面ライダーだからこそ、こういう画が見たい。現場へ出向く前、雄介とおやっさん(演:きたろう)が会話の中で、赤と青の使い分けを語るシーンがある。ソースと醤油の使い分けでさらっと面白おかしく説明する場面だけど、状況に合わせてフォームチェンジを駆使していく本質が描かれてて、すごく好きなシーンである。

 

ただ、やはり体が順応していないのか、変身するも最初から青のクウガになってしまう。ドラゴンフォームはマイティの手を広げるファイティングポーズとは違い、どこか拳法の型のような構えを取る。しかしスピード面では同等だとしても、やはり打撃面で敵わず、バヅーにダメージを与えることが出来ない。

 

 

そこへスクーターに乗った桜子がやってくる。「普通に考えて、普通にする」という言葉を受け取り、桜子さんにしか出来ない古代文字の解読で、雄介を手助けする「覚悟」が定まった瞬間なのである。ここに制作陣の思いが感じ取れるのが、ヒロインをただのお飾りにするのではなく、前線にまで駆けつけるアクティブなヒロインにしたかったというところ。近年の仮面ライダーだと、「ドライブ」「エグゼイド」「ゼロワン」にもその片鱗を感じる。

 

 

「水の心の戦士!長きものを手にして敵を薙ぎ払え!」

 

 

「水の心…長きもの…そうか!!これか!!」

 

 

広場の手すりを蹴り上げ、まるで中国の棒術のごとく華麗に振り回すと、その形がみるみるうちに変貌していく。これこそドラゴンフォーム専用武器「ドラゴンロッド」である。ここのシーンをもうどれだけ真似したか・・・公園の手すりを見つけては全力で蹴り上げたし!!!なのに、鉄パイプは取れなくて普通に痛いし!!!当時熱心に棒さばきを練習したおかげもあって、たぶん今でもくるくる回せる気がする。そんな自分の超個人的な思い出はともかくとして、とにかく格好いいに尽きる。

 

それにしても、まさか鉄パイプが棒状の武器に変化するなんて誰が想像しただろう。その辺にある身近なものを武器に変形させる仮面ライダーって、『クウガ』以前も以後もいなかったし唯一無二だったなと思う。当時の私を含めた子供たちは、道端に落ちてある木の棒を見つけては、ごっこ遊びでドラゴンロッドに変化することを願いつつ、振り回して遊んでいたし、未だに長い鉄パイプや、黄色と黒の棒を目にすると振り回したくなる衝動に駆られるのは、自分だけではないはず。……と思いたい。

 

ドラゴンロッドを手にしたクウガは形勢逆転、バヅーの急所に向けて次々と打撃を打ち込んでいく。振る度になる鈴の音が凛としているのとは対照的に、徐々にバヅーが追い込まれていく。そして一瞬怯んだところに、必殺の一撃「スプラッシュドラゴン」を決めて、クウガはついに勝利をおさめた。桜子さんにもやっと笑顔が戻った。

 

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それではまた次の更新で。

 

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(↑第7話の感想はこちら)